【夢幻賞】
1位 雲雀斗真『蕎麦屋××計画』
2位 黒山羊双眸『純情小曲集』
3位 月島かな『Ψは放たれた』
どうもお久しぶり、浅上皐月です。バイトに行きたくありません。では品評会記事を書いて行こうかと思います。
【1日目】
- 凪宵悠稀『ぐしゃぐしゃ四畳半』
- 波多野琴子『ロスト・ワン』
- 八鞠いち華『想いよ届け』
【2日目】
- 浅上皐月『愛からは程遠い意図』
- 八枝『summer sweat』
- 月島かな『Ψは投げられた』
【3日目】
- あきめくらまりあ『あこがれ』
- いぶきふうか『おことわり』
75号のテーマは「スポーツドリンク」です
【1日目】
凪宵悠稀『ぐしゃぐしゃ四畳半』
ついに我がノートPCで一発変換できるようになってきたことで有名な凪宵先生の最新作です。ちなみに前回の夢幻賞作家さんです。
スポドリというテーマと風邪を結びつける発想は流石のものですね。一人称による軽快は語り口などが品評会では主に話題として上がりました。
波多野琴子『ロスト・ワン』
こちらは先生が70号から続けているシリーズ物の最新作になります。一つの世界の話をここまで何本も描くのってすごいことですよね。
「ヴァンパイアの館」の管理人的な立場にいる存在であるアルカードを中心に、所謂人狼である少年ルドルフの、精神的な成長を描いた作品でした。世界観が練り込み不足であるという指摘や、多人数のキャラクターを扱うことに関して多くの意見が出ましたね。
八鞠いち華『想いよ届け』
こちらは詩の作品となります。先生が書く詩は一見柔らかい表現の中にハッとするような描写を入れてくるのですが、そのギャップがなかなか心地良い作品でした。
スポーツドリンク、という部誌のテーマから想起される中で一番「らしい」作品を書いた、と言っても過言ではないかもしれません。爽やかで感情的な雰囲気を纏った作品でした。また、詩の中からストーリーを想起させるような文体も高く評価されていました。タイトルに関しては本文が感情的な分もう少し俯瞰した視点のものでも良かったのでは、という意見も出ましたね。
さて、書き終わりました。バイトに行きたくありません。ずっとブログ記事書いてたいです。そもそも働かなくちゃお金がもらえないのって何なんでしょうか。給料要らないんでバイト休ませてください。布団から出る努力はしたので交通費はください。
以上、浅上皐月でした
【2日目】
初めまして、ミルキーウェイ・夏野と申します。
三年生なのに新入部員、そんな私ですが早速へまをやらかしました。
増刊号の原稿を徹夜で完成させたのに寝落ちしてしまい、提出出来なかったのです!
自分の生活を振り返ってみると、リコーダーの練習をしたり、乗れないくせにスケボーにチャレンジしたり、一人で土手に行ってサバイバル禁止と書いてある謎の看板を見つけてニコニコしたり、多くの時間を本能の赴くまま費やしてきました。こんな風に無計画に過ごしていれば作品を締め切りまでに提出できるはずがありません。
このままではあだ名がアホちゃんになっても文句は言えません。
でもそうやって呼ばれるのは嫌なので明日からはきちんと計画を立てて本当にやるべき事に時間を使うようにしたいと思います。
皆さんも私のような失敗をしてしまわないように気をつけましょう。
本編始まります↓
9月6日、私はドキドキしながら学校の階段を上っていました。何故なら人生で初めての品評会だからです。私の作品は載っていないのですが、やっぱり初めての事って緊張しますよね///
今回品評する75号のテーマはスポーツドリンクなので私はこの日の為にアクエリを用意してきました。
部長さんに「スポーツドリンクですよ!」と見せた所微妙な笑顔が返ってきました。
浅上皐月『愛からは程遠い意図』
冒頭から、うとうと図書館司書さんが出てきたり、ヒロインが夢の話を始めたりと、ふわふわほのぼの始まる本作ですが、作中に表現されているのはタイトルにもあるように愛からは程遠いちょっと罪な人間模様。ストーリーとはあまり関係ありませんが、途中出て来る主人公と教師の会話に私はドキッとさせられました。
夢の内容をどこかで聞いたことがあると指摘したところ、浅上先生が実際見た夢との事(その話聞いたことある)。この夢について、伏線として回収されていない等の批判や、登場人物のキャラクターを表現するのに効果的であるという肯定的な発言等、賛否両論の様々な意見が出て来て、面白い議論となりました。小説を書くときはそういうところにも気を使わなくてはいけないのですね。
何も起こらない、他のキャラクターの視点も読みたかった、百合だと思ったけど違うの?、等の意見が出て作者自身も反省した点もあったようですが会話文が読みやすいという発言や共感出来るという声もあり作品として皆さん楽しめたみたいです。
浅上先生の性格や考えが強烈に滲み出ており、品評後本人と仲の良い何人かは何か納得したような顔をしていたのも印象的でした。
八枝『summer sweat』
スポーツドリンクの商品名じゃないの?と誤解してしまう人が出るほどテーマにぴったりなタイトルの本作は、スポーツドリンクの登場する再開の物語、八枝先生初の短編にして「目指していたレールから外れたとしても生きていける」という人生へのメッセージが込められ素敵な作品です。今日品評した中で唯一社会人が主人公の作品でもあります。
その爽やかさ故に恋愛ものだと勘違いする人が出たり、地の文と会話文の雰囲気がかみ合っていない、会社等の設定が甘い等の批判が出たものの、その突出した語彙力やラストの一文の爽やかさ、作品に込められたメッセージを評価する発言も見受けられ、読者に心地よい読後感を与えてくれたことは間違いなさそうです。
著者の発言からも、とても考えて書かれた作品だという事が伝わってきて、今回指摘された編集やルビの付け方等を含めもっとブラッシュアップすればより輝きそうな作品だなとも思いました。
月島かな『Ψは投げられた』
最後に品評したのは「えっ、これなんて読むの」と言わされてしまいそうな、タイトルからインパクトのあるこの作品です。
何を隠そう私夏野は、電車の中で読んでいたら降りるべき駅を通り過ぎてしまったぐらい『Ψは投げられた』に夢中になってしまったので、品評会でもきっと全会一致の大絶賛だろうなと思っていたのですが・・・登場人物の振る舞いや言葉選び、設定の細かい点に関して次から次へと部員に突っ込まれていて、皆さんの鋭い指摘に初参加の私は驚かされました。
作品自体が長く、ヴェストラやΨ(プサイ)等の独自の概念が次々に登場する事が本作を読んでいてわくわくする点の一つですが、作り込みの甘さが多く指摘されていたので、SF小説としてはまだまだ改善する必要があるのかもしれません。しかしながら、映像だったらこれは面白い、75号では一番読みごたえもあった、等プラスの発言も多く見受けられました。
何より「今までの月島作品の中で一番面白かった」という意見が複数人から出た事から、著者の努力が感じられました。月島先生自身、今回の品評会で今作を通してやりたかった事と、そのせいで出てしまった悪い面が明確になったようなので、月島先生の次回作を電車の中でよんではいけません。
きっと読み終えたころには遠く離れた知らない駅に到着している事でしょう。
以上が75号とその品評会のリポートでした。
初めてということで右も左も分からず参加した私ですが、厳しい意見も飛び出す白熱した議論や鋭い指摘の数々に知らず知らずのうちに引き込まれてしまいました。
自分の作品を書くうえでも参考になる話ばかりで、同時に自分の勉強不足も痛感させられました。また、品評会を意識した方が多くの方に楽しんでもらえる作品が書けそうなだなとも思いました。
品評会の事を思い出しながら記事を書いているうちに私も作品を作りたくなってきました。
部誌や品評会で皆さんにお会い出来る日がとても楽しみです!
やるぞ!やるぞ!やるぞおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉ!
2日目は以上です。
【3日目】
こんにちは。月島かなです。
最近雨が続きますね。
雨と言えば「雨に唄えば」や「今日も雨」などの曲が浮かびます。
雨は「憂いの天気」として描かれがちですが、文化人は雨が好きな人が多いのではないでしょうか。彼らは雨という小さな非日常の中に創作性を見出しているのかもしれませんね。
さて、萬屋夢幻堂75号の品評会三日目の振り返りです。
あきめくらまりあ『あこがれ』
新入生の萬屋初作品です。美大を目指す受験生の抱える渦巻く感情の物語でした。あきめくら先生は高校時代も執筆していたということで、多少のブランクによる荒さは目立ったものの、地力の高さを多くの部員が評価していました。一方であきめくら先生は文章の長さや表現力の足りなさを痛感しており、これからの成長に期待が高まります。
いぶきふうか『おことわり』
都合により作者不在で行われた品評です。独特の表現や展開で清涼感を演出した作品でした。その独自の世界観を構成するうえで多くの重要な部分の描写が省かれており、読者側には伝わらなかった部分も多かったです。そのため作者不在という状況が最も悪く出てしまった結果となり、品評会は暗中模索になってしまいました。
またいぶき先生のいるところで詳しく話を聞いてみたいです。
諸事情により三日目の品評は以上の二作品となりました。
みなさん、季節の変わり目は体調に気を付けてくださいね。
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