【78号夢幻賞&品評会】

【夢幻賞】

 

1位 武見倉森『肥言の塔』 露手歩行『ハイスクール・シャリヴァリ』

3位 上野葵『海老の天ぷら、その尻尾』

 


 

【1日目】

  • 月島かな『俺達の青春にはドラマチックスイッチが欠けている』
  • 有栖二十四時『故郷なき人り』
  • 露手歩行『ハイスクール・シャリヴァリ』

【2日目】

  • 凪宵悠希『Beginning『Late Summer』』
  • 武見倉森『天狗』『肥言の塔』

 78号のテーマは「新芽」です。

【1日目】

 みなさんこんにちは。八鞠いち華です。78号品評会、1日目のまとめをさせていただきます。 新たな年度を迎え、ピッカピカの新入生たちが文芸部に入部してくれました。ちょっと前まで部室に行くと2学年上の先輩たちがいたはずなのに、気づけば2学年下の後輩を迎える立場になっていました。時の流れって早いなぁとしみじみ感じます。

 

新入生にとって初の品評会、1日目の作品はこちらの3作です。

月島かな『俺達の青春にはドラマチックスイッチが欠けている』

有栖二十四時『故郷なき人り』

露手歩行『ハイスクール・シャリヴァリ』

 

月島かな『俺達の青春にはドラマチックスイッチが欠けている』

 ラノベを意識して書かれた作品。月島先生はこれまで高校生が主人公のお話を多く出されていますが、今作も高校が舞台となっています。伏線回収がよかったという声が上がりました。読みやすいという意見もある一方で物語の収束をもう少し丁寧に書いてほしいという声も上がりました。また、連載作品にしたら面白くなりそうという意見もありました。

有栖二十四時『故郷なき人り』

 78号唯一のエッセイ作品。エッセイ作品はここ最近部誌への掲載が増えてきました。その中でも特にエッセイらしいと評判。77号のいぶきふうか先生のエッセイに影響を受け、パッションで書かれたそうです。改行が少ないという意見が目立ちましたが、音声入力を使用して書かれたため、空白にテンションの差異が現れているとのこと。作品の作り方に工夫が見られました。あたたかい気持ちになると共に自分の故郷を思い起こさせられました。

 

露手歩行『ハイスクール・シャリヴァリ』

 高校の文化祭での一風変わった行事「放闘祭」をめぐるお話。インパクトがある行事です。主人公の一貫した意志の強さが評価されました。キャラクターの設定をより深く掘り下げるとより良い作品になるだろうという声も。その一方で、常軌を逸した倫理観をもつ人物の行動に抵抗を覚えたという意見も出ました。

ラストシーンが不完全燃焼であったという声もちらほら。

 

 以上が1日目の報告になります。

これから新入生と交流を深めていきたいです。よろしくね。次号からは1年生も作品を出すことができます。どんなお話が読めるかしらと今からわくわくです。私も頑張らないと。

 

【2日目】

  はい、おはようございます、こんにちは、こんばんは、どれでもいいや。萬屋の万年社畜こと雲雀斗真です。

 

 今回4月20日、21日に行われた萬屋夢幻堂78号に品評会内容について触れていきたいと思います。ところで晴れたり雨降ったり暑くなったり寒くなったり大変ですねぇ。私ですか。私はそろそろまたどこか撃墜しようかと企んでいますが、それはまた別の話。さてはて私は文フリ前に書き上げられるのでしょうか。

 

凪宵悠希『Beginning『Late Summer』』

  79号品評会の最初は凪宵悠希先生の『Beginning『Late Summer』』です。この作品は72号掲載の『HOVE:The End of Slumber』の続編として連載枠での掲載となりました。

作者曰く、新入生への配慮をした作品と言うことで、直接的な続きではありませんでした。短くて読みやすい、わかりやすい、という意見もありましたが、その一方で文章内での描かれている部分の少なさへの指摘や、尺が足りていないなどの意見がありました。

 『HOVE』は部員内でも続編への期待が高い作品。今後どのように展開されていくか注目の作品です。

 

武見倉森『天狗』『肥言の塔』

 品評会のラストを飾ったのは武見倉森先生の『天狗』『肥言の塔』です。

 なんと『天狗』は急遽2日で書き上げた作品。全体的に自由に読める、勢いがある、そして煽り文の面白さが評価された。

 『肥言の塔』は言葉をテーマにした作品。ビジュアルの描写の美しさに高い評価が集まった。キャラクターの一貫した作り込みや文章全体の骨組みに関しても多くの感想が上がった。

また、もう少し内容を膨らませた方がいいのでは、などといった意見や、作中でのキャラクターの扱い方などにも声が上がりました。

  読後感が気持ちの良く、武見先生の文章力が全力で出されたこの作品。SFはしばらくお休みするそうですが、これからの作品もとても楽しみです。

 

 78号の品評会報告は以上になります。

最後に宣伝になりますが、5月6日東京流通センターにて行われる第78回文学フリマに萬屋夢幻堂はサークル参加致します。サークルスペースは「ト-47」ですよ。いいですね。これ読んだ方は是非お越しください。78号も購入することができますよ。

 

ではでは、またいつかそのうちに。