1

 

 慶長十九年(1614年)、奥州は仙台藩主伊達政宗の命を受け、遠くイスパニア(今のスペインだよ)を目指す支倉常長(はせくらつねなが)らは、広大なる太平洋の洋上で年を越し、南蛮船サン・フアン・バウティスタ号で新年を祝っていた。

「ソテロ殿! せっかくである、酒を飲まれよ!」

「オー、頂きマス」

 使節団の副使である支倉常長より、正使の宣教師ルイス・ソテロに酒が注がれる。洋上にあっては身分に差はなく、ましてや新年、遠く異国の水平線より昇る初日の出を拝むのはただ自分達だけであると、言い知れぬ優越感が使節団の一行を陽気にさせていた。

「しかし! これより向かうはノビスパン(今のメキシコだよ)であったなカイ殿。ここはイスパニアよりどれ程遠いか?」

 酔った常長に話を振られたのは、イスパニア本国の探検家セバスチャン・ビスカイノである。彼はキリスト教布教の為に日本語を率先して覚えたソテロとは違い、日本語が苦手あったが、ここ数ヶ月の船上での共同生活でそれも改善されてきていた。

「Si、ノビスパンはヌエバ・ムンドゥ(新大陸)の一部デガス。ここを越えて、オセアノ・アトランティコ(大西洋)も越えて、やっとオラ達の国デガス」

 唯一、仙台藩出身の者に感化されて変な方言が混ざっている事だけを残して。

 そも、この航海の目的は藩主伊達政宗の意向により、強国イスパニアとの国交を結ぶ事にあった。発端は数年前、ビスカイノがイスパニア王フェリペ三世の親書を携えて来日した事であり、その当時は、徳川幕府がキリスト教の広まりを恐れて国交を結ばなかったが、改めて伊達政宗がビスカイノを仙台藩領内へと招き、幕府に代わって使節団の派遣を企図した。

 使節団には仙台領内で布教活動を行っていたソテロ、ビスカイノ、そして家臣である常長の他、仙台藩士、幕臣、商人など合わせて百八十余名にもなったのであった。

 そして彼らは先年の九月、大勢の者達に見送られて港を後にし、茫洋たる航路へと漕ぎ出していったのだ。苦難の無い旅ではないデガス、そう言ったのは洋上で嵐に巻き込まれた経験のあるビスカイノであった。しかし事実に反し、この三ヶ月の航海では苦難といえる苦難には遭わず、いずれの使節団の者も洋上を跳ねるクジラや魚の群れ、星しか無い夜空を見るだけで心躍らせる日々であった。

 だが一方で、それは時を忘れさせる毎日。日本から持ち込んだ暦に赤判で一日ずつ日付を印す作業も、二月目からは疎かになり、正確な日付も覚えている者の方が少なくなっていた頃であった。少数派に属していたソテロが、江戸ではそろそろ新年である事を告げた事により、船上でにわかに年賀祝杯の機運が起こった。それより先は前後不覚の酩酊具合。舟の揺れか足のふら付きか、そこかしこで吐く下級藩士も出れば、海へ飛び込まんとする商人も出る騒ぎ。積まれていた日本酒も、南蛮の葡萄酒も、結局には空樽を残すばかりとなった。

「おお、早くイスパニアに行きたい物だ!」

「Si、オラも行ぎたいデガス」

 常長とビスカイノがSaludの掛け声でもう一度ワインを呷った時、船首の方で吐いていた航海士のアンジンが声を上げた。

 日本語ではなかったが、アンジンの言葉の中にあるヌエバ・ムンドゥの語に、常長は新大陸への到着が今少しである事を理解した。目指すべきノビスパンの港、アカプルコがもう間も無く視界に入る距離に来たのだ。

 常長らは一同に、ふらつく者はふらつかぬ者に支えられながら、船首の方に集まり、広大な大陸の一端を目撃する。水平線に浮かぶ姿は日本の地と変わらない。しかしそれでも、そこが遠い異国であると思えば、長き旅程の小休止、喜びの声を上げぬ者がいないはずがない。

 暫時、その後の大絶叫。百八十余名の興奮を一身に受け、サン・フアン・バウティスタ号が海上に揺れた。

「オー、あれこそ私達の目指すべきアカプルコの港デス!」

「おお、ソテロ殿! ではいざ早速入港と致しましょうぞ!」

「No、待つデガス、ツネナガ。この海域は海賊が多いデガス。十分に気をつけて行グベ」

「そうだな、このような酔った様では海賊の襲撃にも耐えられぬ。しからば皆の衆、しかと酔いを醒ますべし! その後に入港と致そう!」

 常長の号令に下級藩士を始め、幕臣らも頷いて船室に戻り、海賊の襲撃に備える為に大小の刀、鉄砲、具足の用意を始めた。結局の所、完全に酔いが醒め、いざアカプルコに入港せんとする段には、潮霧が立ち込めその奥に夜空の星がぼやける、夜も掛かり始めた頃となっていた。

「霧が深いな」

 常長が呟いた後、吸気に混じった粘り濃い潮気が今まで以上に陸地の近さを感じさせる。いざ往かむと仙台の月ノ浦を発って三ヶ月、ついに大地に、それも見も知らぬ風土も違う土地に足を踏み込むのは、常長だけでなく、この船上の日本人の誰にでも爽快感と達成感を与えるはずであった。 そんな中、突如として下級武士である山崎源衛が短い悲鳴を上げた。誰もがその頓狂な声に驚き、海賊の襲撃を予想し、一転、場に不穏な物が生まれたが、山崎の視線を追ったソテロが、落ち着いた声で言った。

「Oh、ツネナガ……、マストを見てクダサイ」

 言葉を受け、その場の誰もが首を反らしマストの方を向き、一様に驚き、あるい山崎と同様悲鳴を上げた。

 そこにあるのはマストの先端で、あたかも蝋燭のように盛んに揺らめく青い猛火の姿。知識ある者は「鬼火だ」と叫びその場で念仏を唱え始め、知識ない者達ですらその不可思議な光景にただ息を飲む他無い。

「恐れる事はアリマセン。あれはフェゴ・デ・サンテルモ。航海の守護聖人、聖エルモのご加護たる火です。古の船乗り達も、あの火が現れれば嵐が治まる吉兆としてきマシタ。これは間違いなく航海の安全を……」

 ソテロの言葉尻が切れるのと、聖エルモの火が一際大きく輝くのは同時であった。それは刹那という語よりもさらに短い合間の事、閃光、轟音、浮遊感の三つが綯いませになって、百八十余名のサン・フアン・バウティスタ号の乗員を襲った。

 


2

 

 船の揺れが治まった頃になって、ようやく支倉常長の目が周囲の潮霧と夜の星とを捉えた。見ればソテロもビスカイノも居る。藩士、幕臣、商人、水夫。いずれも変化あったようには見えない。しかしあれほどの閃光と轟音、何かしらの事故を想像しない訳にも行かなかった。

「ソテロ殿、無事か! あれは何事か!」

「解りマセン、あるいは海賊……」

 言いかけた時、再び轟音が、しかしそれは先程の物とは違う種類の物が常長達を襲った。そして彼らが耳を塞ぐより早く、海面を何かが打ったか、しぶきを伴い水柱が立ち昇る。一本、二本……。

「か、か、海賊だァーッ!」

 海賊の襲撃。このビスカイノの叫びが、一気に狼狽していた武士達の気を取り戻させ、この場面において武士達の士気を高揚させた。 だが続けざまに三度の轟音、打ち出された大砲の弾か、黒い鉄球がサン・フアン・バウティスタ号を襲う。
 やがて常長らは、既に自身らの船が航行不能になるほどの損害を受けた事を悟りつつも、敵となった海賊船の居場所を見つけ出す事を優先させた。

「支倉殿! 前方、霧の向こうに巨大な船影!」

 声を上げたのは仙台藩にて水運事業に目覚しい功のある、日下部利三であった。

「ツネナガ! この船はもう駄目デガス! 海に逃げ込むダデ!」

「皆の衆! 退避! 退避ィー! 一旦海へと逃げ、しかる後に体勢を立て直す!」

 号令一発、武官である藩士は周囲の商人や文官を庇いながら、水夫は水夫で慣れたように海に飛び込んでいく。

 常長が暗闇の海の中に頭を沈めてから、改めて顔を出すと、技術の粋をかけて作り上げたサン・フアン・バウティスタ号が、じわりじわりと沈んでいくのが見えた。長い時間をかけて作り上げ、航海を共にした船が沈むのを沈痛な面持ちで眺めるのは常長ばかりではない。誰もが未だ姿の見えぬ海賊への復讐を、心に誓っていた。

「ソテロ殿! 居られるか!」

「こ、ここにイマス」

 正月の海にしてはやけに生温い海の水。赤道に近いからなのか、そう予測をした者は居ないが、いくらか不思議な思いを誰もがしていた。

「支倉殿! 後方から小船が近づいてきますぞ!」

 日下部の指摘に常長が顔を向ける。確かに後方から小船と言えるほどの大きさの影が、辷るようにして常長らの方へと向かってくる。それも一艘ではなく、その背後に数艘控えているように見える。 すわ海賊の切り込みか。

 思うが早く、常長は水中で水を蹴り、小船に一足早く辿り着き手を掛けると、間断をいれず一気に乗り込んだ。

「うわっ!」

 声の主は小船に乗っていた少年の物であった。

「ぬ?」

 着物から水を滴らせながら、なおも前進する小船に立ち上がり、常長はそこに乗る四名ほどの人間の姿を確認した。いずれも黒髪、年の頃十四、五の少年と少女である。少年の方は髷は結わず、短髪に刈り込み、服は全身黒く詰襟に金ボタン。かつて領内で見たイスパニアの軍人の恰好と酷似している。少女はといえば、大きな襟に二本の白い筋を引き、紅く染めたスカーフを巻いてある。これもどこか軍人の恰好と似ているが、いずれも西欧由来の物だと解った。

「お主ら、日本人であるか?」

「え? は、はい」

 答えた少女の戸惑いの色とは裏腹に、常長は顔だけでなく全身で喜びを表現した。遠き異国の地で海賊船に襲われたと思えば、そこに日本人の子供達が現れる。恰好から見て、恐らくは以前に南蛮に渡り、時を同じくしてアカプルコから日本への帰途にあった他藩の使節団だと推理したのだ。 現に、常長ら慶長の遣欧使節団以前にも、天正時代にキリシタン大名らによって使節団が組まれ、キリスト教信徒の少年らが南蛮国へと渡った事がある。思えば、絵で見た当時の天正遣欧少年使節らの姿は、今、常長の目の前の坊主頭の少年と瓜二つではないか。

「して、お主らはいずれの家中の者か?」

 常長としては彼らがどの藩から遣わされたのか、それを知りたかった。

「え? どこ中? どこ中って聞いてんの?」

「さ、さぁ?」

 少年と少女のやり取りである。

「失礼、拙者は支倉常長。伊達家中の者にござる」

「拙者! ござる! 超ウケる!」

「ダテカ中? どこ? いや、俺らは堺第二中の生徒なんだけど……」

「さかい……、酒井大弐でござるか! いや、存じぬ名なれど、酒井家の方とお見受け致す!」

 合点がいった。酒井家は徳川幕府の重臣、筆頭年寄にして、仙台藩の近隣にも所領を持つ有力譜代大名である。

「皆の衆! この船の者らは酒井家の家臣団の使節である! 失礼無きよう接し、また海賊の襲撃より身をお守りしろ!」

 応、の声と共に周辺の海に身を潜めていた侍達が、常長の乗る船や、その背後に続く数艘に続々と手を掛ける。 ぎゃあ、と声を上げるのは当の少年少女達ばかりであった。

「な、何?! アトラクション? これ、新しいアトラクション!?」

「フフ、しかしよもや酒井様もこうして遣欧使節を送っておろうとは。幕府も海外への政策は積極的と見える。ここは我らもイスパニアとの交流を結び、殿へ吉報をもたらそうぞ!」

「Oh! ツネナガ! 海賊の船が離れていくデス!」

「わああ! 外国人がァ!」

 禿頭が水に濡れて、河童に似た姿で船に上がるソテロに、少年達がざわめく。

「ぬ、驚かれますな。彼はルイス・ソテロ、宣教師にござる」

「宣教師?! 授業でやったけど、本当に見るのは初めてだ……」

 そうしている内、海賊からの砲撃は途絶え、一行を乗せた小船は暗い海上を、まるで最初から道筋が決まっているかのように、確実に順調に進んでいった。

「ハッ! ツネナガ! 前を見テヨ!」

「ぬっ! 街が!」

 常長とソテロの視線の先に、海賊の襲撃による物と思われる火の手が上がっていた。アカプルコの港町かどうかは定かではないが、そこに掠奪と惨劇が広がっているのは間違いなかった。

「侍さんマジで焦ってる、ウケる!」

 少女が笑う。

「なんと剛毅な……、このような惨状でも目を背けず、冷静に対処せよと……。さすが酒井様のご家臣より選ばれた使節の者……! しからば!」

 常長は小船が燃え盛る街の岸辺に近づいた一瞬を見計らい、煉瓦の散乱する街路へと飛び降りた。ソテロも常長の意図する物を読み取り、周辺の武士達と共に惨状広がる街へと降り立つ。

「酒井様の使節の方々! この地は我らに任せられよ! 後はただ、後はただ貴方様らの航海の無事を祈りまする!」

 数十人の侍が一斉に少年少女達に向かって手を振る。

「お侍さーん! 頑張ってー!」

「楽しかったぞー! また来るからなー!」

 やがて小船が洞窟のような小さな水路へと入っていき、その無事が確認できると、常長達は海賊の襲撃へ対抗していく。街には先程から、まるで同じ物が繰り返されているかのように悲鳴が溢れ、崩れかけた住居の中では、海賊達がまるで予め決まっているかのような動きを幾度も繰り返しながら、悪行の限りを尽くしていた。

「うおお! 危ない! お嬢さん!」

 勇猛果敢な藩士細谷正左衛門が、一段高い家屋の中で、先程から海賊に追い回されている女性を助けに向かう。あまりの恐怖からか、女性は決して他に逃げようともせず、ただずっと円運動をして逃げるばかり。海賊もそれを楽しむかのように円運動で追い回す、その執拗な様に細谷が憤り立ち向かう。

 がちりと組み合った細谷と海賊。ぬぅむ、と一声かけて武家相撲で培った技を惜し気無く披露した細谷は、既に動かなくなった海賊を放り女性を助けに向かうが、女性は未だ錯乱し、円運動を止めはしない。

「ハハハ、細谷の奴! 女性に嫌われたようじゃ!」

 藩士達の笑い声がそこかしこから聞こえる。各々、やけに弱い海賊を打ち倒し、街の平和を守った所であった。

「さぁツネナガ、後はここを抜けてノビスパンの副王に会いに行きましょう!」

「ぬ、ソテロ殿! カイ殿や幾人かの藩士が居らぬようじゃ」

 確かにこの場に留まった者は数十人の藩士と幕臣のみ。それ以外の商人と水夫、藩士らとビスカイノは海に投げ出された時か、あるいは小船に乗ったまま離れて行ってしまったかして、姿が見えないでいた。

「Oh、イケマセン! はぐれてしまったデスカ?!」

「うむ、だが案じめさるな。彼らもいずれ合流できようぞ」

 常長の声の下に、一同団結し仲間の捜索と共に、一路ノビスパンの首都メヒコの市を目指す事とした。

 

 

3

 

「ここは……、どこだいガ?」

「解りませぬ、解りませぬ」

 探検家として名を馳せたセバスチャン・ビスカイノも、藩士山崎源衛も、周囲の数人の使節団の者も、一様にこの状況に混乱していた。

 彼らは海賊の現れる海域を抜け、地下道と思われる暗い道を歩き続け、いざ外に出てみればそこは異様な光景の地。周囲の人間は南蛮風の衣装を纏っていたが、それもビスカイノに言わせれば見慣れない物だという。数年の内に、このノビスパンの風俗も様変わりし、独特な文化が根付いたのだと、全員で納得した矢先であった。

 人ごみに紛れて歩む内に、いつの間にか小船に乗せられ、異国の地で出会った数人の日本人らしき者達と共に川を下っているのだ。

 周囲の南蛮の衣装に身を包んだ日本人らしき者達は、あるいは昨今、幕府開府以来盛んになっていた朱印船貿易によりノビスパンへと渡り、日本人町を作っている者かもしれない。そう踏んで、山崎ら仙台藩士も異国の地で同胞と出会えた事を素直に喜んだ。また天蓋付きの小船を操る船頭も、流暢な日本語を喋る様を見て、ノビスパンにここまで日本人が浸透していたのかと、ビスカイノもビスカイノで驚いていた。

「おっとォ! 気をつけてピューマが襲ってくるゥ!」

「No! 気をづけっぺ! ピューマはこの地に生息する危険な獣ダデバ!」

「ぬぅ、皆の衆! 伏せい! 伏せい!!」

 山崎の言葉に釣られて藩士も、同船した他の日本人達も船の上で身を屈める。周囲に広がる湿原や荒野のような風景のそこかしこに、ピューマやバッファローといった、新大陸の獰猛な獣達が潜んでいるのだ。現にビスカイノは、湿原の草陰にぴくりとも動かず獲物を狙うコヨーテを見ていたし、山崎も木に止まってこちらを狙うコンドルを確認していた。

「うぅむ、なんたる危険な地か!」

「アハハ、今日は凄くノリの良いお客さんがいますねェ」

「船頭の方、お主はこの地が慣れておると見える。ここが何処かお教えくだされ」

「えー、ハイ! 今、お客さんから良い質問を貰いました! ここはですね! アメリカのコロラド州から流れて、メキシコを通り、メキシコ湾に注ぐ大河、リオ・グランデ川の中流となっていまーす!」

「Oh、リオ・グランデ! いつの間にかそんな所まで来てたガ!」

 長き旅程とは思っていたが、数日、数十日をかけて渡るはずだったリオ・グランデ川の上にいつの間にか居ると知れば、ビスカイノ達も時間の感覚を失う。船上で新年を祝っていたのが数刻前の事であるとも思えば、まるで数百年の時間を経てきたような気持ちすらする。異国と日本とは昼夜が違うと聞き及んでいたはずの使節団の人間でも、混乱せずにはいられなかった。

「カイ殿! ここは我らもいち早く別れてしまった支倉殿達と合流せねば!」

「Si、オラ達も早イグこのリオ・グランデを抜けるダサ」

「気をつけて! 首刈り族がこっちを見ている!」

「No!」

「伏せい! 伏せい!」

 ビスカイノと山崎らを乗せた小船が川を下っていく。日本人の乗客の笑い声と、使節団の悲鳴が交差する。彼らの剛毅さがあってこそ、この異国の地で暮らして行けるのだろうと、山崎は強く思った。

 

 

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